心臓リハビリテーションを学ぶ!!
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心臓リハビリテーションってどんなことをしているのか?それをちょっとまとめてみた。是非参考にしてみてほしい。
理学療法士として病院でどんなリハビリをしているのか、そういう内容になっている。
心臓リハビリテーションの運動療法とは?
1 運動療法
【運動処方の決定】
①運動強度
②運動の継続時間
③運動の負荷頻度
④運動の種類
⑤運動の期間
①運動強度
最大能力の40~60%を目標とする。その目安として運動中の心拍数、自覚症状など。
また、その人の限界を知るために、「運動酸素摂取量(VO2max):負荷量を増加しても酸素摂取量がそれ以上増加しない状態」の評価、「AT(嫌気性代謝閾値):有酸素代謝から無酸素代謝に代わる直前の値」も知る必要がある。
※VO2maxの目標値は60~80%
- 心拍数による運動処方
・目標値は最大心拍数の70~80%
・カルボーネンの式による心拍数の求め方
心拍数=(最大心拍数―安静時心拍数)×α+(安静時心拍数) α=目標値
・呼気ガス分析値による決定
AT値の90~100%を目標に
・年齢別予測最大心拍数を用いて決定
最大心拍数=220-年齢
この値の50~70%を目標とする
- 自覚的運動強度(PRE)による運動処方
・ボルグ指数の12~13(ややきつい)程度の運動がATに近い
②運動の継続時間
・30~60分が好ましいとされ、一回20分が運動能力を増加させる最低量。
また15分を2回、30分を2回など分割しても良い。
・ウォームアップとクールダウンが重要で、前後10~15分必ず行う必要がある
(ウォームアップは柔軟性運動や強度の低い心肺運動を行いましょう)
③運動の回数
・週3~4回の運動と、1日おきの休養が良い。
心疾患と糖尿病の患者さんは運動の回数を多め(週5-7回)にし、心不全の方は多少少な目(週3-5回)が良いとされている。そのうち週1~3回は通院外来リハに参加してもらう
④運動の種類
・早歩き
・エルゴメーター、トレッドミル
・ウォーキング、ジョギング
・集団での体操
・軽い水泳
・ゴルフ(注意が必要)
⑤運動の期間
・慢性期、維持期の運動療法の持続は最低3ヶ月が望ましいとされ、持続は長ければ長いほど良い。
学習指導
運動だけで心疾患は治療できない。
食事療法で「減塩」「適塩」などを行い、心臓に負担がくる喫煙をやめることが治療への一歩になる。
集団で心疾患に関する基礎知識の講義や教育パンフレットなど学んでいき、食事療法、禁煙の実行方法の指導を受け、日常生活での注意事項を学んでいく。
今週のお題「お弁当」
社会復帰、職場復帰に向けてのアドバイスや、精神的なケアにも積極的にアプローチしていく。
<運動療法の内容>
①バイタルチェック
その日の体調を確認するためにバイタルチェックを行う
②準備体操(椅子に座って行うストレッチ体操)
③有酸素運動(エルゴメーター、ウォーキングなど)
最初は軽い自転車こぎ、軽い歩行から始めていき、徐々に負荷(ペダルを重たくする、速度を速くするなど)をあげていく。運動の強度は個人で違うため、周りと競うようなことをしないようにする。
④筋力トレーニング(自重、チューブを使用)
筋力トレーニングは上肢・下肢筋力を鍛える。最初は自重、軽めの負荷から行い、その後マシンを利用したトレーニングを実施する。
⑤クールダウン(呼吸を整えるリラックス目的の体操)
⑥バイタルチェック
※注意すべきこと
ペースメーカー植え込み術や心臓術後の方は、術後2か月間は上肢の強いストレッチ、運動は禁忌。傷口が開く恐れがあるため、傷口に負担のないような下肢の運動から始めていく。
<運動療法の効果>
①運動能力の改善(生活が楽になる)
②血管内皮細胞機能の改善(血管が広がり、手足が温かくなる)
③自律神経機能の改善(不整脈が減り、血圧の変動が減る)
④抗炎症効果、抗酸化作用(動脈硬化の改善・予防)
⑤骨格筋の糖代謝・脂質代謝の改善(動脈硬化の改善・予防)
⑥骨吸収抑制・骨形成促進(骨折の予防)
⑦脳内エンドルフィンの放出促進(気分が晴れやかになる)
運動によって薬では得られない効果がある。運動によって生活の質の改善、心疾患再発や悪化の減少が得られ、健康寿命に繋がる。
最後に
心臓リハビリテーション指導士とういう資格があるので、ぜひ調べてみてほしい。
医者、看護師、リハビリ職がスキルアップできる資格である。しかし、そう簡単にはとれない。それだからこそ価値がある。
参考文献