うさぎとカメ 🐢

継続は力なり。のろまな理学療法士ちひろのブログ

理学療法士が教える!心臓の病態知識を身につけよう。

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心臓リハビリテーションを学ぶためには、まず基礎が必要不可欠であることは前回、前々回から書いてきた。今回は「心疾患」の病態を深く勉強してみよう。私も病院で心臓の病気を持ってる方をリハビリしているので、今回ブログで書くことで、復習でき、とても勉強になった。


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心疾患とは

動脈硬化のなりたち

心臓が動くためには、心臓の筋肉自体に酸素やエネルギーを必要とする。酸素やエネルギーを心臓の筋肉に運ぶには心臓の周りにある、冠状動脈という栄養血管が重要になる。

糖尿病、高血圧、コレステロールの異常、喫煙などの危険因子があると、冠状動脈の内部にコレステロールが蓄積され、炎症反応が起こり、粥腫(プラーク)が形成される。これが「動脈硬化」なのだ。

その結果、冠状動脈が細くなり、閉塞すると狭心症、心筋梗塞などといった病気になる。

やはり喫煙は怖い・・・・。

やめたい方は禁煙のブログも書いているのでどうぞ。

喫煙がどれだけ体に悪影響するのかということを書いている。読んだらすぐ辞めたくなってくれれば幸いである。

 

www.chihirokouguchi.com

 

 心不全とは

さまざまな心臓の病気が原因で、心臓のはたらき(ポンプ機能)が低下すると、全身に必要な酸素を含む血液を十分に送り出せなくなる。その結果、臓器のうっ血によって呼吸困難などの症状をきたす。

私が働く病院の患者さんは高齢者が多いが、ほとんどの患者さんが心不全がある。

リハビリを行うにあたって、心臓の知識は必要不可欠なのである。これからは心臓リハビリテーション指導士を目指しレベルアップをしようと思っている。

この資格は難しくなかなか持っている人がいない。宮崎県ではたぶん40人くらいだったと思う。またこの資格については詳しく書きたいと思っている。

 

◆虚血性心疾患・・・心筋(心臓の筋肉)へ酸素を運ぶ冠状動脈が狭くなったり、閉じてしまうことで生じる障害の総称。心筋が酸素が足りなくなった状態。

 

◇心筋梗塞・・・動脈硬化(心筋を動かすための血管である冠状動脈が狭くなること)の壁が破れて、血管内の血液が何らかの原因で塊となった血栓が付着し、血液の流れが完全に止まった状態のこと。

 

◇狭心症・・・心筋の酸素の需要と供給バランスが悪くなることが原因で起こる。胸痛、強い圧迫感を感じる。しかし発作は数分で治まる。

 

心筋梗塞を起こす人の半数は狭心症の既往がある。

 

◆心筋症・・・心臓の筋肉自体が厚く固くなり、収縮力が低下し心臓の働き(ポンプ機能)が障害される。

 

◆弁膜症・・・心臓の中にある血液を送ったり、逆流しないようにしているのが「弁」だが、その弁がしっかり機能しなくなる疾患の総称。

 

心臓の機能が衰えるとどうなるのか?

 

心臓のポンプ機能が衰えると、全身への血液が送りだす力が弱くなり、一回に送り出す血液量が少なくなり、血液と一緒に運ばれる酸素が十分に行き渡らなくなる。

また一回に送り出す血液量が少なくなると、次第に血液がうっ滞して心臓や身体に溜まってしますため、さまざまな症状が現れる。

 

  • 血液が溜まっておこる症状

・息切れ、呼吸困難

心臓のポンプ力が弱くなると、肺から帰ってきた血液を全身に送り出せなくなり、肺に水が溜まっていく。そのため肺で酸素が取り込めず酸素不足になり、息切れや呼吸困難を起こしてしまう。

 

・浮腫

心臓のポンプ作用が弱くなり、全身の血のめぐりが悪くなると、うっ滞した血液は顔や足に溜まり、浮腫になる。また腎臓への血液が落ちて尿が作られなくなると、尿量が減少し、これも浮腫の原因の一つとなる。

 

・体重増加

 血液のうっ滞や尿の減少が起こると体重が急に増加する。

 →体内に水が溜まってきていることが、一目でわかる。

 

・食欲不振

 血液のうっ滞は、お腹の臓器にも起こる。胃腸が動くための血液が不足し、お腹が空かない、また便秘しやすくなる。

 

  • 血液が不足しておこる症状

・疲労感

 心臓から送り出される血液量が減り、全身の血の巡りが悪くなり、身体を動かすための必要なエネルギーや酸素が不足し、疲労しやすくなる。

 

・動悸

 1回に送り出す血液量が減少すると、全身に送る血液量を維持するために脈が速くなったり、心臓自体が大きくなったために脈の拍動を感じやすくなる。

また心臓に負担がかかることで、実際に不整脈が出ることもある。

 

・その他

 手足が冷たい、夜間の尿量増加、昼間の尿量減少など

 血の巡りが悪くなり、手足が冷たく感じる。また昼間は活動していることで、筋肉への血液供給量が増加するため、腎臓への血液量は低下し尿量が減少する。夜間安静にすることで夜間の尿量が増加するという症状がでることもある。

※これら症状は個人によって異なり、同じ病名が付いていても、必ず同じ症状がでることはない。

 

最後に

今回は病態を中心に書いた。病院でリハビリするにあたっては必須の知識である。それでもなくても、介護士さんや一般の方でも知っておくと病気に対する心構えができるのではないかなーと思う。