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継続は力なり。のろまな理学療法士ちひろのブログ

禁煙したいけどやめられない!!とあきらめない。禁煙方法は?

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喫煙者であれば一度は必ず試みている「禁煙」。

しかしなぜか禁煙ができない、続かない。私も禁煙をして何回も失敗している。この記事を書くことでもう一度禁煙にトライしている。

「自分の意志が弱いからだ」と悲観する人も居るかもしれない。意思が強い人でも簡単にタバコをやめることができないのには理由があるのだ。しかしあきらめたらだめだ。禁煙方法は必ずある。


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禁煙したいけどやめられない!やめられない理由

 

その理由は、「ニコチン依存症」という病気にかかっていることが近年わかってきた。

ここではニコチン依存に関して、また禁煙対処法に関して伝えていこうと思う。

 

ニコチンとは

ニコチンというものはタバコ特有の物質である。喫煙すると口や気管の粘膜から速やかに吸収され、約7秒で脳に到達する

タールと違い、ニコチン自体には発がん性物質は含まれていない。しかし、神経系に対する毒性が非常に強く、中枢神経系への興奮、血管収縮作用、血圧・心拍数増加作用がある。また動脈硬化のリスクががぜん高くなる。とても恐い。

動脈硬化のリスクが高くなる理由として、一酸化炭素が原因として挙げられる。一酸化炭素は酸素と比べると約200倍以上のヘモグロビンと結合しやすい性質を持っているからである。一酸化炭素のせいで酸素と結合できないため、酸素が全身に行きわたらず、酸素欠乏状態になり赤血球が増加し、動脈硬化になるのである。

 

※タール

フィルターを茶色にさせる、粘着性のある物質。発がん性物質が含まれている。

 

ニコチン依存のメカニズム

中脳から大脳辺縁系に至るドパミン作動性神経を「脳内報酬系」と呼ぶ。

ニコチンや覚せい剤、麻薬などは、脳内報酬系に作用し依存性を示すと考えられている。いわゆるタバコも麻薬のようなものなのである。

ここから話しが生理学的になり、難しくはなるけどいいかい?

ニコチンはシナプス前末端のニコチン受容体に結合して、ドパミン等の神経伝達物質を過剰放出する。ニコチンによって脳内報酬系が活性化されると、多幸感・快楽・覚醒効果・緊張緩和など、様々な効果を感じるようになります。

習慣的な喫煙者は、ニコチン受容体の数が増えていて、このことが喫煙本数の増加や喫煙後の離脱症状の程度と関係しているといわれている。喫煙していた時は、こんな状況だったのか思うと恐ろしくなるね。お酒飲むときは普通に一晩で1箱以上吸っていた。

 

  • ニコチンによって分泌される神経伝達物質

    ドパミン・・・ 喜び、食欲抑制

    ノルエピネフリン・・・ 興奮、食欲抑制

    アセチルコリン・・・ 興奮、認知力向上

    バソプレッシン・・・ 記憶力改善

    セロトニン・・・ 気分の変化、食欲抑制

    β−エンドルフィン・・・ 不安と緊張の緩和

 

なぜタバコは簡単にやめられない?

タバコに含まれるニコチンの影響には、薬物依存である身体的依存と、喫煙習慣によう心理的依存の2つがある。この依存を同時に克服していかなければならないことと、体内からニコチンが抜けることで起こる離脱症状が発現することから、禁煙が難しいと言われている。

  • ニコチン依存症(ND;Nicotine Dependence)

①身体的依存=ニコチン依存

 ニコチンが大脳の快楽中枢に作用

 ・少量→興奮作用(目が覚める)

 ・多量→鎮痛作用(気持ちが落ち着く)

ニコチンが消失すると・・・

 ・喫煙欲求が止まらない

 ・集中力の低下

 ・イライラ、怒り

 ・体がだるい、眠い

 

②心理的依存=習慣

 喫煙が生活の一部になっている

 ・目覚めの一服

 ・食後の一服

 ・暇を持て余す

 ・仕事の区切り

 ・口が寂しい

 ・間が持たない

 

禁煙方法

 
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ニコチン置換療法

禁煙方法として、容易に利用できる方法として、ニコチン置換療法がある。これは病院の禁煙外来でも取り入れられている方法だ。

皮膚や口腔粘膜の接触面からニコチンを徐々に体内に吸収させ、禁煙に際して起こる離脱症状を軽減し、禁煙を補助する仕組みである。

 

ニコチン置換療法にはニコチン以外の有害物質は含まれず、吸収されるニコチン量は、喫煙によって吸収するニコチン量より通常少量で、緩やかな血中濃度の上昇を示し安全に使用できる。日本では、ニコチンパッチやニコチンガムがある。

 

煙を吸ってニコチンを取り入れる習慣を、完全にニコチンパッチに置き換えてしまうことから始め、その後のニコチン補給量を段階的に減らします。身体的依存を上手に克服し、最終的にニコチン製剤の使用を終了する。(ニコチンパッチとニコチンガムの併用は、ニコチンの過剰摂取の危険性があるので注意が必要である。)

 

ニコチン置換療法の留意点

ニコチンに対する依存度の強い人に特に効果があることがわかっている。しかし、ニコチン置換療法は、あくまでも禁煙の「補助剤」であり、ただ使用するだけで禁煙できる「魔法のくすり」ではない。

上手に禁煙するためには、禁煙しようとする気持ちや禁煙への自信を高めたり、タバコを吸いたい時の自分なりの対処法を身に付けることが基本である。この基本があって、はじめてニコチン置換療法剤の効果が発揮される。ここで、たばこをやめたいという強い意思を持っていればそれが活かされるのである。

ニコチンパッチなどを使用している時は、タバコはもちろんのことニコチンガムとの併用は禁止されている。また、サウナや激しい運動も副作用が出やすくなるので気を付ける必要がある。

ニコチン置換療法の詳しい特性はまだ次回、お伝えしていくことにする。

 

 

参考文献

中村正和 らくらく禁煙ブック

中村正和 明日からタバコがやめられる